こんにちは、拓哉です!
今回は、Twitterのつぶやきに反応して、雪崩ビーコンについて書きたいと思います。私が実際に使用している物についてになりますが、バックカントリー初心者の方が、初めての1台を選ぶ際に少しでも役に立てればと思います。
バックカントリーに挑戦してみたいとなった時に、雪崩ビーコンは必携の1つになります。他にも、ショベル、プローブといった必携の装備もあります。最近では、FWTなどのフリーライドの大会では、エアバックも必携になって来ました。
※バックカントリーに必要な装備に関しての記事はライダーの河野祥伍が書いてくれた「冒険の準備ーBCへ旅立つために必要なものー」を参考にしてみてください。
雪崩に遭った際の生存率は、埋没時間が18分で91%、35分経過すると34%まで低下すると言われています。 埋没時の救出は、生存率の高い15分以内が理想的です。 生存率が急激に落ちる35分以降だと、3割程度の生存率しかありません。いかに早く埋没者を救出するかが重要になって来ます。そこで救出時に、まず登場するのが雪崩ビーコン。
選択ポイント・レビュー
私が普段使っている雪崩ビーコンは、MAMMUT / BARRYVOXを使用しています。
BARRYVOX -バリーボックス-
・価格:42,000円(税抜).
・タイプ: デジタルアンテナ3本
・最大帯域: 最大 70m ・捜索帯域幅: 70 m
・サイズ: 115 mm x 67 mm x 27 mm
・重量: 205 g (バッテリー含む)
・バッテリー:単4アルカリ電池×3本(1.5V)
・バッテリー寿命: アルカリ: 約300時間(SEND)、1時間(SEARCH)
・周波数: 457 kHz
今まで幸いな事に、実際バックカントリーでの使用は無いですがトレーニング時に使用した感じですと分かりやすく、使いがっても良いです。機種選択の理由としましては、一緒にバックカントリーに行くグループでの使用率が1番高かったのが理由の1つです。1番使用率が高いと言うのは、その機種自体にも信用性がありますし、使い方など教えてもらえるので効率がいいと思います。機種自体の性能も、捜索帯域幅が70mと、雪崩ビーコンの中で最も広い捜索帯域幅と受信帯域を持つデバイスの1つであります。
埋没者の捜索時には、最後に埋没者が見えた場所から、雪崩ビーコンをサーチモードにセットし、雪崩の両幅いっぱいにジグザグに捜索していきます。捜索帯域幅が大きいと何が良いかと言いますと、捜索時に捜索範囲が大きくなり捜索距離が少なくなるので、埋没者まで迅速に到達する事が出来ます。更に、マーキング機能により、複数の埋没者が出た場合最初の埋没者を⾒つけてすぐにマークすると次の対象を画⾯上でガイドするため、グループメンバーが最初の埋没者の救助に取り掛かると同時に、2⼈⽬の捜索に向かえます。救助者は埋没者が1人の時と同じように複数の埋没者の捜索も可能です。
プラス、極度のストレスにさらされる環境下でもその精度と使い易さ。どんな天候においても⾒やすい偏光グラス対応ディスプレイ、グローブを着⽤したままでも押しやすいボタン。実際の捜索の状況でいかに使いやすいかが機能だけでなく、使い勝手の部分も機種選択のとても大切なポイントになってくると思います。
補足なのですが、雪崩ビーコンの装着位置によってはうまく動作しない場合があります。送信モードでは、ビーコンと金属物や電子機器との距離を20cm以上に保つようにしてください。送信モードで深刻な干渉の影響が出るのは、より短い距離(3cm未満)に近づけた場合ですが、 着用ベルトや衣服などの干渉を起こしうる物が、雪崩に巻き込まれた際に物理的な衝撃を受けて、通常の位置から移動して干渉する可能性もあるので、安全のマージンをとった距離を保つことが推奨されます。埋没者を掘り起こす時、気道の確保が最優先になります。なので、装着位置によっては捜索者に、真っ先に顔が掘り起こしてもらえない可能性があります。自分の顔付近に装着する事も大切になると思います。ビーコン捜索を行なう人。捜索モードにしている際は、ビーコンと次節に挙げる捜索と併用可能な機器との間に、最低 50cmの距離を保つようにしてください。
昨シーズンICELANTICライダー使用機種
山田雄平(くんさん)
使用機種 『 ARVA Evolution+ 』
河野祥伍
使用機種 『 BCA トラッカー2(TRACKER2) 』
西條聡
使用機種 『 BCA トラッカーDTS (TRACKER DTS) 』
山城 ガチャ 喜也
使用機種 『マムート バリーボックス(BARRYVOX)』
佐々木徳教
使用機種 『 BCA トラッカー3(TRACKER3) 』
※昨シーズンの使用機種になります
雪崩ビーコンとは?
雪崩ビーコンは、雪崩埋没時の救助時に使用する電波を発信、受信する機械です。世界基準の『トランシーバ周波数: 457 kHz』の電波を発信するので、世界各国どのメーカーとでも送受信が可能になっています。なので、パーティー全員違う機種でも問題なく使用する事が出来るのです。
雪崩ビーコンの役目は、大きく2つあります。
1つは、雪崩に埋まってしまった人を見つける事。もう1つは、自分が雪崩に埋まってしまった時に、自分の居場所を捜索者に知らせる事の2つになります。
雪崩ビーコンは、自分の命とバディーの命を守る物になります。
雪崩ビーコン種類
アナログ式
アンテナが1本内蔵された雪崩ビーコンです。液晶画面での指示ではなく、音によって埋没者の位置まで誘導してくれるタイプ。
デジタル式
アンテナが複数内蔵された雪崩ビーコンです。信号の強さと電磁波などによって計算された位置を、液晶画面と音、LEDによって埋没者まで誘導してくれるタイプ。1番主流となっているタイプです。
簡単な説明ではありますが、上記の2種類があります。2種類とも正確さに違いがないのですが、アナログ式の場合、使い方を習得するのにかなりの練習が必要になって来ます。これから雪崩ビーコンを購入しようと思っている方なら、デジタル式の方が使い勝手が良く、最悪の事態の状況下でもストレスなく捜索に使用できると思います。ですが、いくら使い勝手が良くてもぶっつけ本番というわけには行きません。バックカントリーに行く前に必ず操作方法など、しっかりトレーニングをして欲しいと思います。
レンタル
雪崩ビーコンのレンタルもあります。レンタルなら3千円台からと非常にお手軽です。まずは、レンタルをして、試してみるのも1つの手だと思います。また、インターネット申し込みによって、お手軽に自宅まで届けてくれます。わざわざ受け取り返却に足を運ぶ必要がないので、平日は仕事で忙しいという方にも最適。バックカントリーでは必須アイテムが多いため、なかなか挑戦できていないという方も多いと思います。高額な購入費となるビーコンですが、レンタルをすることでその使い勝手を試してみる事もできます。そのほかの登山道具もレンタルができますので、最初はレンタルで。そして徐々に購入して自分の装備を増やしていくのも良いかもしれません。
やまどうぐレンタル屋
https://www.yamarent.com
アウトドアギアレンタル そらのした
https://www.soranoshita.net
まとめ
私が普段使用している機種の簡単な説明になりましたが、選択のポイントとして一緒に登るグループでの使用率が高い機種、機能や使い勝手が良い機種などで選択したら良いと思います。まずは、レンタルで使用感など確かめてから、購入することもいいかと思います。先ほども書きましたが、雪崩ビーコンは持っているだけで安心ではなく使えて当たり前。絶対にバックカントリーに行く前にトレーニングをし、捜索の手順、他の装備の使い方も身につけてから出発して欲しいと思います。バックカントリーの世界観は、スキー場では味わえない、登った人にしか見れない景色や爽快感を感じられると思うので是非挑戦してみては!!
参照記事
https://www.mammut.jp/shop-by-icons/barryvox
https://www.soranoshita.net/blog/post-11349/
September 3, 2020/GEAR/バックカントリービーコン