【プロスキーヤー佐々木徳教コラムVol.8】正解も不正解もない世界

世界中が混乱してる現在です。コロナウイルスからの不安のせいなのか?
みんなが何かに不満があったからなのか?不満がないって人は将来が保証されてる人とみんなの代弁者であるはずの“大先生達”だけかもね。笑
アメリカや香港の混乱はもはや最初の気持ちを忘れて暴徒と化してしまっては独裁者の思う壺ってヤツだよね。「フェイクニュースだ!排除しろ!」ってツイートされちゃうよ。笑
日本国内も暴徒が街を襲撃してもおかしくない数億円単位の「中抜き疑惑」とかオレ達の税金を自分の金のように当たり前にばら撒いた勘違い「夫婦」なんかの事件も起きてるけどやっぱ日本人は内弁慶で一人じゃなにもできないステキな人種なんだね。笑
そのくせ匿名だからとかみんながやってるからってSNSで泥水の中を這いつくばった事もなく夢だけ語ってカッコつけてるくだらない”こども番組”みたいのに出てた女の子を誹謗中傷しちゃってね。その子も自ら命を落とちゃうって。本気でやって来たはずの子なのになんでそんなカッコつけ達の攻撃なんかで…
オレはそっちの方が悲しい。死ぬ気でやればなんだって出来るって知ってたはずなのに…。

正体がバレないからって誰かを傷つける事で喜びを得てるようなヤツらなんてろくなヤツじゃないよね。
日本はリアルな現実でなく6、1インチのスマホの中のバーチャルですべての情報が揃ってしまう若者達はどこに向かってるんだか。笑

さてさて。

いろいろな人から関係性とか、
よーわからん人からは “スキーヤーのくせに!”なんて言われるオレの個性のすべてがここから始まったスケートボードってキーワードを四季彩の宿やまぶきの齋藤悠士さんからとドットベース大町の屋田翔太さんからいただいたお題「スキーとスケートボードの共通点」。
この二人、顔を合わせるたびにオレの悪口を言ってるとか言ってないとか。笑

まず答えから。
共通点…あるようでない。ないようである。
ってとこかな?答えになってないじゃんてね。笑
直接あるかと言えばあるのかも。でもオレが思うのは表面的な部分ではなくて…って話。

※最初にお断りしておきますがスケートボードは長く続けているオレの趣味であり
プロスケートボーダーなどでは全くありませんので「たいして上手くないのに語るなや!」
とかの誹謗中傷は一切受け付けません。笑

ここからはオレの勝手な思い込みと半分が妄想の世界のうる憶えな昔話です。
ちゃんとした答えがあるかどうかはわかりませんので読んでみて個々に感じてみてください。笑

これが「すべての原点」だね。

教室の机の中にある好きな女の子の縦笛をチラチラ見てニヤニヤしながら何か行動ができるわけでもない内弁慶な中学生の頃のオレがスケートボードと出逢います。
2つ歳上の兄貴がどっかから借りてきた板っきれに4つのタイヤがついた謎の乗り物を持ち帰ってきたのが始まりです。
その時はちょうどジャッキーチェン“スパルタンX“って映画の中でスケボーにのったジャッキーがカッコ良かった第二次スケートボードブーム。
テレビでは最年少プロスケートボーダー「トニーくん」がびっくりなんとかグランプリで”けだるそう”に今は滅多に見ないボトムに平らな部分のないフルパイプってスケボー用ランページから飛び出して540°回転したり寝転がる大人を助走してきてジャンプして飛び越したり…。
のちのレジェンドスケートボーダー Tony Hawk。

オレの中にはたくさんのヒーローが今でも生きてる。

それを観たよしみち少年はおち◯ち◯を触る手を止め「これだ!」と思うわけです。笑
この時に終わることのない永遠があるって事を知ります。笑

30数年前っておそろしく昔の話だけどその頃って今みたいに情報に溢れてなかった。インターネットなんてなかった時代ね。SNSもなかったしYouTubeも。今考えると信じられないよね。情報が全くないって言ってもおかしくないくらいに本当に何もなかった。
あったのは海外から誰かが持ってきて不特定多数の人が観てボロボロになった雑誌と何度もダビングされて画質も悪過ぎて今だとゴミでしかないビデオテープの中の超絶技巧の外国人達。雑誌もそこらの本屋に売ってる訳じゃなかったから自分で買えた訳じゃない。
その頃はスケボー売ってるのはサーフショップの片隅に置いてあるって感じ。
店に入るのだってかなりの勇気を振り絞って入ってた。この頃のサーファーなんてメチャクチャ怖かったイメージね。笑
「なんだ?このガキ!?」って顔されるのを横目に置いてある海外の雑誌をパラパラとめくって観て写真を一瞬で頭に焼き付けて逃げるように帰る…
妄想力や想像力はこの時に身についた特殊能力だね。あとさっさと逃げるって逃げ足。笑
これは今でも役立ってる。危機回避能力ね。笑
本当に何もないもんだから間違えててもわからないような日々が長い間続いていって新しいものが出来て行くって感じがしたね。
だって誰一人正解が分からなかったんだもん。笑
多分今だに間違えてる事がいっぱいあると思う。そんなもん。笑
第二次スケートボードブームも中盤になった頃にやっと日本の雑誌でもスケートボードを取り上げるんだけど成人誌に2〜3ページだけ。しかも成人誌だからガキが買うにはかなりハードルが高かった。半分エロ本みたいな雑誌を買えるほどオレはハートが強くなかったけど大義名分があるって自分に言い聞かせて隠れて買った。もちろんエッチなページもしっかり楽しんだね。笑
「スポーツノート V-4 スケートボード」 ってハウツー本も出た。

いまでも持ってる。これは佐々木家の家宝にしようと思ってる。笑 (ちなみにオレも兄貴も持ってて佐々木家には2冊ある。笑)
昔はこの手のハウツー本がたくさん出てた。弓道とかマニアックなのものハウツー本も出てたはず。すごい時代。笑
このハウツー本にはギア紹介のページが前半にあってそこに載ってるショップに行ってみたいなーっていつも思ってた。
札幌にはスケボーを売ってる店なんてあんまりなかったからさ。

(*訂正 今もお世話になってるアメリカンスポーツはこの頃からあったそうです。オレが知らなかっただけでした…)
今じゃデカいジャスコには大体入ってるムラサキスポーツやスポタカとかストーミーとかね。
高校生になって修学旅行で東京に行ったら絶対に行くぞ!なんて思ってた若き日のオレは本当にピュアだった。笑
で、そのショップは行ったのかって?
修学旅行で東京がデカイ事を知り札幌の田舎もんはコシって電車に乗れず行けなかった。東京は札幌の街くらいだと思ってたもんね。笑

雑誌やカスれたビデオで観る情報を元に試行錯誤するもイマイチ理解できない動きの理由がオレのスタンスがなぜが右足が前から始めてしまったのが原因って分かったのは始めて何年もたってから。
少数派のグーフィースタンスじゃなくレギュラースタンスのイラスト…理解できるはずがない。笑
それが理解できてたとしても永遠に続くトリック地獄って深みにズブズブにハマり込み抜け出せないまま上手くもトリック数も増えない…終わる事のない永遠。

あれから30数年が過ぎて
何もなかった時代からインターネットやSNS、YouTubeでなんでもその場でスマートフォンで調べられる現在までの間に少し距離を置いたりした時もあったけど辞めずに続けてるのはスキーとスケートボードとバイクだけ。

じゃそこには何があるのか?って言われるとオレの発想や想像はスケートボードから始まっててオレの中にあるカッコいいの根本はスケートボードにある。
前にもどっかで書いたかもしれないけどスケートボードのトリックをスキーに変換すると…って想像ですべてが成り立ってる。
オレのスケボーでできるとかできないは関係なく国内外のプロアマ問わずスケーターの映像や写真を観て想像を膨らます…今だに妄想と想像の日々。笑
スケートボードは体感が鍛えられて…とか色々なスキーへのプラスになる要素があると思うんだけど難しい共通点よりも頭の中で想像した動きを整理して組み立てて身体に伝達させる事とひたすらチャレンジする事や一つのトリックに集中する事がスキーに繋がってるとオレは思ってる。
チラッと観て覚えた雑誌の写真の指先の細部までがカッコよくてトリックは出来なくても指先だけでも真似しようとしたもん。あのヒーローの頭の傾きとかあのスケーターの肘のマネとかね。トリックうんぬんだけじゃなくどうでもいいそんな細かい所がオレには大事だったんだもん。

トニーホークの「手」はオレに大きな影響を与えてるね

カッコイイを作り込むって事への影響を受けてるのは間違いない。TACKと撮った写真は指先の細部まで意識して撮ってた。お互いのカッコいいが共通してたからね。「手がダセぇから撮り直そう」って何回もやったの覚えてる。
ガキだった俺にはスケートボードはすべてがカッコ良かった。細かい動きや手足の動かし方全てが。ただの板に車輪が付いただけなのにあんなとんでもない事が出来るっての自体がカッコいいでしょ?コケると痛いのにチャレンジするって所も魅力なんだと思う。
他の事でも良かったのかもしれないけどガキだったオレに響いたのがただスケートボードだったってだけなんだと思うけどね。笑
でも危険な事の方がカッコいいでしょ?
安全なスポーツに興味の持てないカッコつけなのですよ。笑

情報が何もなかったからこそ正解も不正解もなかったオレ達おぢさんの世代。
今は情報が多いからこれが正解だ!と決まってる感じもするね。
YouTube観せて練習させてる親とか多いよね。ぜったいに上達は早い。羨ましいっての半分と可愛そうって半分思ってしまう。
オレ達の世代は頭の中の想像で組み立ててた。あってるのかすら解らないまま。それが個々の個性=スタイルだった。骨格や筋力身体の使い方…その個々のスタイルが本物の個性だったと思う。
誰か特定の人のトリックをお手本にしてコピーすることから何でも始まるんだけどずっとそのままだと自分自身のトリックじゃないって思っちゃう。それだけが正解な訳じゃないのにね。
五輪種目になった瞬間から“スポーツ”に変わってこのトリックはこれが正解ですってのが確定したのかも知れないけどオレは始めた当時の気持ちを忘れたくない。
規定演技になっちゃったらそれって今の「モーグル」と一緒じゃない?難易度だけ上がって一般人を置いてけぼりなのに選手全員やる事が同じ…それが点数でるからって事なんだろうけどそれじゃ個性もスタイルも…自由もなくなっちゃてるじゃんね。もう「フリースタイル」なんかじゃないじゃない?笑

何をしていいか分からないモヤモヤしたガキが正解か不正解かもわからないままガムシャラに転んだり怪我したりして自分だけの自分自身のトリックと生き方とか表現を出来る方法を知ったってすごい事だよね。笑
オレの頭の中の正解は今でもガキの頃に観た想像の中でうる覚えのヒーロー達の姿だもん。笑
試行錯誤した自分のトリックが個性でスタイルってやつだろ?って思っちゃうのは
“オリンピックを狙う”キッズや親達からしたら…
もう古い考えで老害なのかも知れないね。笑

おまけ

これはスラッシャーのカバーショットだけ集めた本。

スティーブキャバレロはオレの永遠のヒーロー。
歳をどうとっていくか?も教えてくれてる。

これ観て妄想した。頭の中のYouTubeで何度も何度も再生した。

マイクバレリーはプロってなんだ?ホンモノの漢ってなんだ?って教えてくれた。

ランスマウンテンに「ひょうきんさ」ボブバーンクエストに「チャレンジし続ける」って事を教わったね。
オレの中にはたくさんのヒーローが今でも生きてる。
ヒーローに囲まれてるオレはたぶん幸せなんだと思う。

アイスランティック
エグゼクティブアドバイザー
佐々木よしみち

June 28, 2020/COLUMN/

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