【プロスキーヤー佐々木徳教コラムVol.4】歳をとるといふ事

北海道には梅雨がありません。カラッとしてんるんです。
なんて言うじゃない?

言うじゃなぁ〜い?

皆さんは“あれ”どう思います?“リレー侍”。
テレビで見てて波田陽区がチラチラするんです。
おいおいそれって“ギター侍”に引っ張られてないか??って思ってしまいます。来年の東京オリンピックで◯◯侍って各競技で多用されたらどうしようって今からドキドキしてます。「でも東京でやってるのにナマでみれませんから〜!残念!!」ってのがオレの中だけで流行るのは間違いない…。気をつけろ!…あ?これも聞いたことあるぞ?!平成の芸人に引っ張られてるのはオレか??笑

話は戻りますが北海道も梅雨の時期は雨が多くて蝦夷梅雨なんて言ったりします。暑くもなく丁度いい季節なのに。関東の暑くてジメジメよりはいいと思うんですけどね。ただバイクも乗れないしスケボーも外で出来ないってストレスが溜まる時期です。
小さな晴れ間が見えたらそこに向かって全力で走り出しちゃいそうなくらいのストレスで追い詰められるただただ元気なおっさん。
おっさんなのに元気なのは絶倫って事なんじゃないかと思っている バツ無し独身 子供なし の40代 わたくしよしみちでございます。笑

さてさて。今回のお題はICELANTIC JAPANのスタッフ岡崎と坂本の2人に
「40代あるある。昔と比べてキツくなった事むしろ伸び続けてる事は?」
ってのと「年齢と体つくり」ってのと
北海道ニセコグランヒラフ田中竜之介さんから 「歳をとるということ」ってのをいただきましたのでその辺をおっさんであり20数年間プロスキーヤーとして活動してきたオレがおっさん代表で思い込みと偏見にまみれた感じでお送りしようと思います。

おっさんって何歳からですかね?オレが若かった時は40代なんて完璧なおっさんで自分の昔話とか武勇伝を自慢するくせに今は腹が出てダサくて話が長いのが普通のおっさん。
むかし不良で悪かった自慢はマジで聞いてられない。笑
この業界はオレがまだ若かった頃ギリで景気良かったから「ブってる」おっさんもいっぱいいて。“ザ業界人”って感じのスカしたソレっぽいおっさん。オレはそうゆう人を「ブってる人」って呼んでた。当時からひねくれてたからね。笑
見た目完璧なおっさん。だけど金髪にピアス。肘まで袖のあるデカいtシャツと腰ばき後ろのポケットになぜかハデな刺繍のジーンズ。ブってるでしょ?笑
若かりし頃のひねくれたオレは「歳相応って大事だな〜」っておもってたもんです。
まあ、今の若い子達から見るとオレも「ブってる」ように見えてるのかな?
でもオレはやる事やってるんで文句言われる筋合いねーよ!って声を大にして言えます。笑

今やオレもどこに出しても恥ずかしくないしっかりおっさん。
自覚してます。最近は「おじさんはね〜」って話を始めるくらいしっかり自覚したおっさん。
おっさんになって何が変わったかと考えると…生き方自体はあんまり変わってないてのが正直なとこ。おっさんなのはしっかり自覚してますよ。笑
お肌の曲がり角。体力の衰え。老眼。四十肩そして加齢臭と特有の変なニオイ…40代はなにかとネガティブなイメージ。
ま、昔より疲れが取れないとかぐっすり寝ても起きた途端に疲れてるとかはもちろんありますよ。これは本当にびっくりするくらいに疲れてます。
マッサージ行っても速攻で寝てしまってマッサージされた事も覚えてないくらいですから。笑
おっさんは疲れてるんです。おっさんってのは責任と覚悟で生きてるんでね。笑
40代。衰えは間違いなく迫ってて自分の中のイメージのみが先走り足がもつれる。運動会で怪我するお父さんは間違いなくそれですよね。イメージのみ先行型。笑
そりゃ普段何もしてないのに子供に良いところだけ見せようってなったら怪我も仕方ないでしょ。
40代のオレにも衰えは確実にきてるんだと思うけど衰えて目減りする体力の分をトレーニングするってだけ。現状維持。増やす気はなし。ただ減ればパフォーマンスに直接響くってのは誰よりもしってるからね。
っていうか20代の時からやってる事なんてたいして変わってません。
スケボーしてバイク乗ってちょっとトレーニングして。生活感のない独りもんを誰よりも楽しんでいるので見た目は少しだけ若く見えるかも知れないですね。ここに来て“ブってる”んですよ。オレも。だっておっさんになってもモテたいってのが全ての軸になってるもん!笑

に、しても世の中の皆さんが歳を重ねる事を失っていくだけと思ってるのはなんでなのでしょう?確かに失ってるものは沢山ある。でもそれが全て悪い事じゃないですよね。
その歳にあった歳相応の楽しみ方をすれば良いんじゃないの?って思う。
出来る事が目減りしていく感覚もわかる。このまま自分から無くなり続け何もない無になっていく恐怖も感じた事もある。
でもその無は何もないじゃなく頭で考える事なく出来る程の経験があると言う事なんじゃないかな?っておもう。無我の境地ね。表面的には無くなってしまっても自分の中に蓄積した経験はなくなる事ははい。そして無は無限の無であるんだと。どこまでも終わることのない無限。
それって昔から存在する「達人」の域に突入したと思ってもいいんじゃないかな?
考えず、奢らず、無に近い状態でいられるってのはもはや「達人」でしょ?
オレ達の世代はそれ位の覚悟で向き合ってきた経験があるもんね。笑
だからオレは焦らない。焦っても何も戻ってこない。焦るからイメージだけが先行してカラダが追いつかない。もう負の堂々巡り。笑
できなくなる事を悔やんで若い子達に引け目なんて感じる事はない。本気でやってきての“今”なんだから恥じる事なんて一つもないってね。笑

オレがスキーを続けてきてる41年間の30年くらいは何かとの闘い。
プロになってからは自分である事を表現しようとずっとファイティングポーズを取り続けてた。オレの頭の中にある“スキーを理解してくれない”周囲の人達と“実力以上にうまく立ち回ってる奴ら”への怒り、オレ達の世代が何も無いところから作り上げたこのカルチャーを汚す“侵略者達”への怒りをガソリンにして闘ってた。アクセル全開で。笑
このカルチャーが当たり前にここにあって当たり前に存在するのもオレ達の世代のfreestyleskierとオレ達よりずっと前に偏見と闘ってきたfreestyle skier達がいるって事の誇りで。なんでそんなに誇り高き戦士みたいだったのか。笑
でも闘ってたのは最終的に「自分」だったと気がついたのは4〜5年前かな?正真正銘のおっさんになってから。笑
自分と闘ってるんだから何よりもイラつくし勝負なんてつかないよね。笑
それに気がついた時から自分の周囲をしっかり感じる事、見る事が出来るようになった。
自分が今何を求められてるのか。そうなると自ずと「カッコイイ」がシンプルになってくる。スキーへの気持ちとおなじ世代の人達にオレの思う「スキー」を伝えて行きたいと。
リキまずに自然体でチカラを無駄に使わない「達人」の域に達したのかもしれない。
お前が達人?笑わせるな!って言う人もいるかも知れないけど。笑
出来るトリックがどんどん減っていくのかもしれない。でもそんなの関係ない。オレの想う「freestyle ski」はいつだって自分の目の前にある障害を超えて行こうとする
“自分への挑戦” だからね。

ヒクソングレイシーは

「私には過去も未来も関係ない。どこでいつ生まれたか、今何歳で、いつ死ぬのか、そういう概念の外で生きようと思っている。時間を超越したところで生きたいと思っているんだ。私にとって大切なのは『プレゼンス=今』だ。ある人にとっては20歳は若く、80歳は年老いているかもしれないけれど、私はそうは思わない。私が信じているのは『今』だけだ。だから、私は年齢を考えたことがないんだ」

って言ってるし。笑

今、目の前にある「障害」を超えていく…生きてること自体がパルクールみたいなもんだよね。笑

同世代の皆さん、オレと一緒に目の前の高い壁を蹴って「向こう側」に行きません?? きっとそこには…

アイスランティック
エグゼクティブアドバイザー
佐々木よしみち

【プロスキーヤー佐々木徳教コラム】過去のシリーズ

Vol.1 「カッコいい」ってなんだ!?
Vol.2 Styleってなんぞです?
Vol.3 new school ?old school?

July 27, 2019/COLUMN/

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