今期よりラインナップの中で異質な存在感とオーラを放ってるスキー‘SABA PRO’。
これは世界各国でIcelanticskiを履いて活動しているathleteの意見を取り入れて作った新しいコンセプトのスキーらしい。
去年のシーズンが終わったくらいで「徳教さん。アンケートに記入してください…全部英語ですけど…」って悠からのメールからがこのスキーが作られる物語の始まり。
まあ、全世界でオレと同じようにアンケートに記入したIcelanticski athleteがいるのだが…
このスキーの中にオレの意見が少しでも入っているという可能性はゼロではない…と思っている。笑
さて、じゃあどんなスキーなんだ?と思われるだろう。
なにせ世界各国のathleteが意見を出して作ったスキー…今まであっただろうか?
ライダーや契約アスリートの意見を聞いて技術者が作るのはどのメーカーもやっているだろうが製作までもを自分達でしてしまったスキーはたぶんこのスキーが初めてかもしれない。
本当に乗りたかったスキーと言う事になる。
こんな魅力的なスキーはオレは今までに聞いた事はない。
Icelanticskiでは間違いなくはじめての試みだ。
さて、肝心のスリーサイズだが 147−117−137 とファットスキーの中でもかなりの極太スキー。スキーのレングスは167、177、187と用途に合わせてチョイスのできる10センチ刻み。
オレが使用しているのは177センチ。何でも一本スキーでこなすオレのスキースタイルには問題のない長さ。スキー自体の太さがあるので 北海道のパウダースノーであればこの長さでも問題はないがハイスピードで大きなターンをするスタイルのスキーヤーには187を勧めたい。
オレのようなパウダーも滑るし整地やコブ、パークまでも一本でこなしたいと思っている「よくばりな」スキーヤーには間違いなく177がオススメ。
でもこの太さで全部するってムリがあるでしょ??って声が聞こえてきそうだがそこは心配ご無用。このSABA PROはリフレクティブロッカーという形状を採用している。
簡単に言うとサイドカーブと同じだけロッカーしてるという事…これも分かりにくい。笑
このスキーは今までの言い方を使うと「フルロッカー」という事になる。
接雪面は足の裏のみ。トップとテールはスキーを倒し込んでやらないと接雪しないのだが絶妙なフレックスで「バタバタ感」や「不安定感」は感じない。
それよりも接雪面である足の裏のエッジがスムースに反応してスキーを倒しこむとトップとテールが雪面をしっかりグリップする「気持ち良さ」のほうが優っている。
そして足の裏のみに感じる接雪面のおかげで実寸を感じないほどの操作性の良さをすぐに体感できる。
また、今までのIcelanticskiの中でファットスキー代名詞となっていたnomad125と違いトップとテールの形状がナローシェイプになりスキーの前後がいい意味でルーズなコントロール性になっている。このルーズさがこのスキーの最大の魅力。今までのIcelanticskiの中でもトップクラスのfreestyle性をもったスキーに仕上がっている。
オレの感覚だとスキーの長さは150センチくらいの「ショートスキー」を操作している感覚。なのでショートターンはお手のものでコブやグラトリ、パークでのジャンプまで扱えるオールラウンドなスキーに仕上がっているように感じる。
パウダーでのターン性能は今までのnomadはスキートップが太い分の雪からのプレッシャーが必要以上に強くスキーが思った以上に曲がってしまう感じがあった。テールも必要以上にグリップするのでいつまでもテールがターンし続ける感覚があり自分でスキーを解放してあげなければいけないとコントロールがシビアだったがその噛みすぎの感じが消えよりfreestyle色が強くなった感じがする。
パークでも太さを感じさせない軽さが空中でのコントロール性につながりランディングの安定感は抜群。
ただ…リフレクティグロッカー(フルロッカー)なのでランディングでの後傾着地には要注意。笑
全てが万能ではないのは当たり前だがスキー場を top to bottom でなんでも楽しみたいってスキーヤーにはSUVのようなどこにでもいける最高の相棒になる事は間違いない。
ぜひこの新しいスキーの楽しさを体感しに試乗会に足を運んで欲しい。スキーの性能以上の「面白さ」をすぐに感じてもらえるはず。
佐々木ヨシミチ
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February 19, 2020/GEAR/SABA PROスキースキーの選び方スキー板フルロッカー