前十字靭帯断裂スキーヤー再起記録 Vol.2【手術→絶望からの回復まで】

私河野祥伍が、2020年2月3日に左足前十字靭帯を断裂してからの、通院や手術、リハビリを通して再度雪の上に立つまでを実録でお送りしている“前十時靭帯断裂スキーヤー再起記録”。今回は手術の様子について書いて行きたいと思います。

前回書いた通り、僕は手術を舐め切って決定いたしました。

フリースキーヤーで前十字を損傷して再建手術をしている人は知り合いにも多ので「言うて大変な手術じゃ無いだろ。全身麻酔らしいしどれくらい意識残してられるか楽しみだなー。」術後はささっとリハビリ始めて、「やっぱり普段から運動している方は回復早いですね!えー、河野さんプロでスキーされてるんですかー?格好良いですー」とリハビリ科の看護婦さんと楽しくお話して、夏くらいにはリハビリと筋トレでムキムキになった体で海で美女とBBQ!!

僕の頭の中はそんな感じでした。

さて、実際はどうなんでしょうか。

絶対必須快適インターネット環境

5月18日に入院をした僕は4人部屋の一角に荷物を運び込み、その後は病院の中をウロウロと観光していました。

入院の次の日が手術になったので、初日にやっておこうと持ったのは、快適なインターネット環境の確保と、しばらく出来なくなる全力疾走をしておこうかな、とその程度でした。

事前の入院説明でフリーWi-Fiが自動販売機についているという事だったので、探しにいくと自動販売機はあったものの、どう頑張ってもWi-Fiに接続できない。「ちょ、、、それはまずいってー。。。」と思いながらも、何をどう頑張っても無理。看護師さんに聞いても「あー、設備課に聞いておきますねー」とふわっとした返事が帰ってきました。

「いや、ちょっと待ってくれ。現代において快適なインターネット環境は最低限度の生活水準!無いなら無いと言っておいてくれれば準備もしてくるけど、有るって言っておいて無いはダメだってー!!」という心の絶叫も虚空へ消えていきました。

というわけで、急遽調べてiphoneのSIMロックを解除し、プリペイドシムを買うことで(これはICELANTICライダーの西條さんにプレゼントしていただきました)何とかDOCOMOのデータ通信容量の制限にひっかからない方法を探し当てました。皆さん、本当入院時に携帯のデータ制限に引っかかっているとゲキヤバなので快適なインターネット環境だけは確実に確保できるように注意しましょう。方法はポケットWi-Fi、シムロック解除後のプリペイドシムの使用、その月だけ大きなデータ通信プランに入る等々色々ございます。是非調べて!ちなみに僕が使ったプリペイドSIMはこちら。

そんなすったもんだがあり、何とか快適なインターネット環境を確保し、全力疾走もし終え、入院初日の夜になりました。

爆音いびきじじいとの出会い

いや、何となくね、4人部屋で同室になった方お二人にご挨拶をした時嫌な予感はしていたんですが、その悪い予感は夜になって現実のものとなりました。

夜の消灯と共に部屋の中を包み込んだのは、同室ジジイの爆音のいびき!!

まじ、どっから音出てんの?ねぇ、まじで。ねぇ。いや、本当に、勘弁してください。。。

そう思いながらも、全然寝入る事が出来ず耳栓を買って来なかった自分を恨みながら、イヤフォンを耳に突っ込みました。

少し遠くに感じるじじいのいびき。少しずつ意識も遠くなりうとうととしては、何故か止まったいびきに

「え?じじい死んだ?」

と、何故か逆に心配になって起こされてみたり。

眠れない夜はじじいの起床まで続きました。

皆さま、大部屋になる際必ず耳栓は必須です。ぜひお買い求めいただき、入院時は取り出しやすいところへ忍ばせておいてくださいませ。

手術当日歩いて手術室へ

手術の日の朝は早く、6時に起こされて検温、血圧測定、血中酸素量の測定など、バイタル検査が行われます。そこで左腕に点滴が入れられ、その後手術後3日目の抗生物質投与が終わるまで刺さりっぱなしです。その後浣腸を入れられ、青ざめるくらいの腹痛の耐えながら排便。

僕の手術は9時半からったので、朝には手術着に着替え、T字帯(フンドシ)を着けて手術の準備万全と言った感じです。

僕が手術を受けたタイミングは世間でコロナウイルスが猛威を奮っていた(ちょっと後)だったので、家族であっても基本的に面会は禁止だったんですが、手術当時は本の数分だけ面会が許され、嫁に顔を合わせ、2、3言葉を交わし、手術室に歩いて向かいました。

いざ、手術!という事で、手術室に入り、手術台の上に乗って、体をバンドで固定されました。周りは5〜6人のお医者さんと麻酔科医の先生に囲まれ、「○○mg投与します」みたいな会話が聞こえてきます。

ほー、そんな感じで淡々と進むんやなー。いつ「じゃあ麻酔かかりますから、意識なくなりますよー」的な事言ってくれるんだろうか。と待っていると、、、

はーい、河野さん、手術終わりましたよー。ゆっくり深呼吸出来ますかー

はーい。深呼吸深呼吸。。。

え!!

もう終わったの!?

確かに全身麻酔をする時に匂ってくるという噂の甘い香りがしたような気がしたけど!!もうちょっと手心というか、なんかいざ行きまーす、みたいな一言欲しかったよ!!

と、思っていると足早に手術室からストレッチャーでガラガラ運び出され、嫁とまた2、3言葉を交わして、スタッフステーションの近くの部屋に運びこまれました。

悪夢の始まり

だんだんと麻酔の余韻から回復してくると、とてつもなく体全体が疲弊しきっている事に気づきはじめました。

めちゃくちゃ疲れているしめちゃくちゃだるい。

これはヤバイ。非常にマズイぞ。自分の体と対話すればするほど「本当やばいっす、マズイっす」と体が訴えてきます。

そんなさっさと寝てしまって回復したい状況にもかかわらず、尿道カテーテルの痛みと、ずっと同じ姿勢でいる事からの腰のコリの痛み、それが伝播して腿の痛み。手術をした膝の痛み。数々の痛みが襲ってきます。

そんな痛みの攻撃にプラスして、左手に付けられた点滴の不快感、足元で血栓が出来にくくするためのポンプがプシュープシューやってる不快感、どうやら血圧が高かったようでひっきりなしにピープーピープー鳴るバイタルを図る機械。地味にきつい血中酸素量を図る指先につける洗濯バサミみたいなやつ。

とにかく、痛い、そして不快。そんでもって動けない。寝てしまいたい、でもうるさいし、不快で寝れ無い。という状態が身を包んでいました。

点滴による痛み止めを2度、浣腸による痛み止めを1度してもらったにもかかわらず、痛みと不快感によって、16時から次の日の朝6時にバイタル検査機器を外してもらうまでほぼ一睡もできない戦いが続きました。

もう1時間くらい経っただろ?嘘だろ!?まだ5分!?みたいなことを何度繰り返したか定かではありません。本当にそんな事ってあるんだな、と思うくらいしんどい夜でした。

そして9時には尿道カテーテルが外れ、何とか一息付き、少し自室に帰って眠る事ができました。

悪夢はまだ終わらないーち○こから異音ー

手術の翌日にはもう車椅子での移動が許可されたので、足首から腿の上までガチガチに固められたギプスの扱いに苦労しながら、とりあえずトイレを目指しました。

とにかく尿道カテーテルを抜いて欲しくてしようがなかったのですが、抜いてしまえば今度は点滴をしている為、1時間に一回ほど行きたくなるトイレにしんどい体で向かわなければいけません。

ただそんなことよりとにかく尿道カテーテルが抜けたことが嬉しくて、手術あけ一発目のトイレに向かい、

男の醍醐味、立小便の快感を楽しんでいると

シャーーーーー。。。ブベベッ!

と、何とち○こから屁が!?!??

え!うそ!?うそ!!?何が起こった!!?

人生で未だかつて無いち○こからの屁。そこからは二種類の液体しか出ないと思っていたにもかかわらず出てきた謎の空気。

戸惑いながらも、残尿を絞り出そうとすると、

ブベーッ。べべべべッ。。。

えー。。。

もう、何なの。。??僕、本当疲れてるんです。これ以上不安になる体の不調はやめてもらえませんか。

そんな悲しみMAXの体の不調を看護師さんに伝えると、

「ちょっとー(男性の看護師を呼んで)〜〜らしいわよ。知ってる??」

「いやーちょっとわかんないっすね(苦笑)」

え!なんか俺がセクハラしたみたいな感じで話されてる!嘘だろ!俺だけの症状なのか??そんな稀有な状態に体がなってるのか??

底知れぬ不安と闘いながらインターネットで調べると、どうやら導尿の際に膀胱へ空気が入る事があり、それが放尿と共に出てくる事がある、“気尿“という物らしい事が判明しました。

おい!看護師!!お前勉強不足だろ!!頼むぞ!!

なんだかそんなおしっこ一回でよりドッと疲れた体を引きずりながら、ベッドへ倒れ込み、手術後1日目の日は腰のコリの痛みと膝の痛みと闘うことになりました。

痛みの軽減と共に出てくる体の不調

さて、トイレを終えて部屋に戻ったは良いですが、起き上がる気力はほとんどありませんでした。膝の痛み、腰の痛み。飲み薬の痛み止めと湿布をもらい、なんとかかんとか耐えれる痛みが続いていました。

ただ、尿道カテーテルとバイタルチェックの機器が外れただけでも寝返りが打てるため、少しずつ腰の痛みと膝の痛みは軽減していき、手術から2日目の昼過ぎを迎える頃にはだいぶ寛解していきました。

すると、だんだんと体の不調に気づき始めます。

肩より上がさわさわして、頭が痛い。

きっと腰の痛みや膝の痛みが強すぎて考えれてなかっただけで、今思うと手術後2日間くらいの記憶がかなり曖昧なため、術後慢性的にあった症状だと思うのですが、膝と腰の痛みが消えてきた為にその事しか考えられなくなってしまいました。

どうやら術後から血圧が高かったようで、それによる不調のようです。目を瞑ると別の空間にトリップして、3頭身くらいの可愛く無い妖精たちに謎のダンスを見させ続けられるという悪夢が続きます。こういう時の夢って本能に近い部分に脳の働きが行っているはずだから、という謎理論で「運よ上がれ、運よ上がれ!!」と唱えたところ、運をあげる行為は精神的な違法行為だったらしく、運をあげる妖精は妖精ポリスメンに連れて行かれてしまいました。

何を言っているかわからないと思いますが、横になって寝ようとしても、ずっとそんな感じの悪夢を見続けます。

頭痛薬を処方していただき、何とか久しぶりにまともに2時間以上連続で寝ることができたのが、この2日目の夜でした。

手術の悪夢は3日まで

術後3日目、目を覚ますと体が元気を着実に取り戻している事が瞬時にわかりました。

しかしまだ頭痛が続いていた為、再度頭痛薬を処方してもらい、そこからは体の不調はほぼ無くなりいました。

3日目はギプスカットの日で、下半分を残して上を切除した為、かなり動きやすくもなりました。また3日目には点滴も終わり、体がだいぶ動かしやすくなり、かなり清々しい気持ちになったのを覚えています。

やはり全身麻酔、そして体にメスを入れるというのはダメージがかなり強い物なんだな、という実感と共に、「誰だよ、楽観的な感じで手術受けたやつ!!」と過去の自分を呪いました。

皆様の身の回りで所謂簡単な手術を受けた方がいらっしゃったとして、最低でも3日は屍人、4日目くらいからようやく病人くらいに扱ってあげてくださいませ。河野さんとのお約束です。

さて、長くなりましたが、これにて手術の悪夢編を終わりにしたいと思います。次回からは鬼のリハビリ編となります!是非続きもお楽しみに!!

June 11, 2020/COLUMN/

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