どーも!ショーゴです!
今回はちょっと語りづらい系のテーマに切り込んでいきたいと思います!
そう、今回は”普通のビンディング+ブーツ”と”テックビンディング+テック用ブーツ”はどっちが良いの!?
そんなテーマで書かせていただきます。
この内容なんですが、読者の方からすると「ぶっちゃけそこ聞きたかったんだよ!」と思う所だし、
客観的にこの記事を業界人として見返すと「一長一短だからあんまり触れないほうが良い」という所なのです。
※あくまでショーゴのイメージです。
そこで。ここでは河野祥伍というスキーライフを送ってきた人間が、
「こうだった」という事実を述べるだけにとどめたいと思います。
Contents
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さて、僕はここ6年ほどずっとテックビンディングとテックブーツにてスキーライフを送ってきました。
そんなわけで、僕の代表的な活動はすべてテックビンディング+テックブーツで行っていたことになります。
なので、テックビンディング+テック用ブーツには足を向けて寝れません。
本当に本当に、頼りになる相棒です。
ただ、今回、
「テックビンディング+テックブーツは誤解放をしやすい」
「テックビンディング+テックブーツは壊れやすい(気がする)」
という点において、
飛び板だけ普通のビンディングを付け、普通のブーツで乗る事を決断致しました。
ただ、誤解放がしやすいとか、テック系は壊れやすいとか、言っていても
僕が一般の方よりは道具を相当ハードユーズすることを念頭にお話を聞いていただければと思います。
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さて、左がテックビンディングとテックビンディング用ブーツです。
右はフリースキー用のビンディングにアルペンブーツです。
テックビンディングとテックビンディング用ブーツは初見の方も多いと思いますので、
簡単にざっくりご説明致しましょう。
テックビンディングはバックカントリーの登攀用に製造されたビンディングで、
とにかく軽量である事が特徴的なビンディングです。
普通のアルペンブーツでは履くことが出来ず、特殊な専用のスキーブーツでの使用となります。
ビンディングへのブーツ固定は普通のビンディングとは大きく異なり、
トゥー側は、ブーツに空いている溝にビンディングのトゲが入り込む様に挟み動く機構で固定され、
ヒール側は、二本の金属の棒がブーツの踵に空いている溝に入り込む事で固定されます。
「え、そんな固定のされ方で本当に大丈夫なの!?」
とテックビンディングを使ったことがない方は多くの方が思われると思います。
そこで、一つ言えることは、
これくらい飛んだり跳ねたりくらいなら、基本大丈夫。
という事でしょう。
とはいえ、普通のビンディングと、違いはやはりあります。
今回お話したいのはまさにそこで、両者のメリット、デメリットのお話です。
二つのビンディングとブーツのメリット・デメリット
テックビンディングとテックブーツの圧倒的メリットは”軽量性”です。
そして、その超軽量なビンディングで、ほぼほぼ普通のビンディングと同じくらいのノリでスキーが出来る。
これはとてもすごいことで、実際に両足で3kg近く重量が変わる事もあります。
足元の重量が軽くなると、山登りではとても登攀が楽になります。
体力と筋力が温存出来、より高く、より遠くへ行くことが出来、また滑りへ集中することが出来ます。
また、ゲレンデで乗っていても、スウィングウェイトがとても軽いです。
筋力が強くない方、スキーというギアの軽量性を重視したい方なども、テック系を使用してメリットを感じると思います。
そして、今回6年ぶりに普通のブーツと普通のビンディングに乗ったところ、感動したのは、圧倒的な”安心感”と目を見張るほどの”パワー伝達の良さ”でした。
安心感というのは、誤開放の心配が無いこと。そして圧倒的に物質として壊れなさそう、という点です。
そしてパワー伝達の良さ、というのスキーヤーのパワーが即座に板へ伝達し、コントロールを容易にするという意味です。
実際に長期間使用してみないと、安心感が実感に変わらないため、ここでは普通のビンディング+ブーツの強度問題に関しては省きますが、
テックビンディングに関しては軽量性に性能を振っている手前、強度問題をどこまで犠牲にしているのだろうか、という疑問が使用している際常について回りまっておりました。
実際に僕もテックブーツに関しては数足壊しており、ビンディングも滑走が不可能になる破損があった仲間を知っております。
その為、やはりここぞの安心感がテックビンディングとテック用ブーツでは若干下がってしまいます。
これがテック系のデメリットの一つです。
そして、今回普通のビンディング+普通のブーツに変えて一番驚いたのは、人体からスキーへのパワー伝達の良さです。
これは、テックビンディング+ブーツがパワーの伝達損失率がとても高いと言い換える事が出来るかもしれません。
とにかく、6年間テックビンディング+ブーツでスキーライフを送ってきた僕にとっては、衝撃的なまでにスキーが操れる感覚を覚えました。
そして、テックビンディングのデメリットは誤開放を起こしやすい、という点もあります。
極端にその例が出るのが、ハード斜面で短時間に極度の板のたわみが起こった時(要するに板が暴れる時)と、スイッチ着地と、ドライブ(板の回転)です。
僕はハードな斜面を滑るときは、テックビンディングをスキーモードではなく、ウォークモードにして外れないようにしていました。
これはメーカー的には非推奨されている行為なのですが、ハードな斜面を良いスピードで飛ばしている時に板が外れるというのは割と洒落にならないし、
実際に起こりうることが想定可能(実際に起きたことが数度ある)だから、という理由でした。
また、実はわたくし飛びをちゃんとやっていた時はロデオ540がフェイバリットトリックで、一番スタイルを出せるトリックだったんですが、
ほんのちょっとでも着地のスィートポイントを外すと、テックビンディングだと外れてしまうという理由から、ロデオ540を封印した過去もあります。
そんなこんなで、どうしても若干不安を抱えながらのスキーライフだったので、今回飛び板を普通のビンディングとブーツに変える事に決断した、という流れになります。
※余談ですが、ハイブリッド形式(といっても色々あるので説明難しいのですが)のビンディングもあります。
機構自体はテックビンディングの物ですが、より滑走性にすぐれ、誤開放の可能性を低下させたモデルです。
こちらはテックビンディングのデメリットを低下してくれますが、メリットである軽量性も低下する為、なかなか難しいです。
河野祥伍的にはテックビンディングの軽量性を生かすか、もしくは普通のビンディングのメリットを生かすか、の二択で良いんじゃない?くらいのノリです。
あなたに向いているビンディングはどっち!?
というわけで、おおよそ二タイプのビンディングとブーツのメリット、デメリットを書かせていただいた上で、
こんな人にはこっちのビンディングが向いているよ!という性格診断をしましょう。
まずテックビンディング+テック用ブーツに向いている人は
・長い登攀を想定している。
・BCに行きたいけど体力的に不安。もしくは荷物をとにかく軽くして他の人へのアドバンテージを大きくしたい。
・ライダーレベルのパワーフルマックスの滑りを想定していない。
・高額なギアに怯まないスタイルを持っている。
といった方ですね。
そして普通のビンディング+ブーツが向いている人は
・とにかく板を自由に操りたい
・ギアを長く使いたい
・フルパワーで板に乗りたい
・ちょっと重くても気にしない
・飛んだり跳ねたりを不安なくしたい
といった方ですね。
ぜひあなたの格好いい板につけるビンディングと、あなたの足元の相棒であるブーツを選ぶときのご参考になれば、とてもうれしいです。
ショーゴでした。
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February 10, 2020/GEAR/ビンディングビンディングの選び方